宅配クリーニングでありがちなトラブル事例と対策まとめ

宅配クリーニングでありがちなトラブル事例と対策まとめ

宅配クリーニングでありがちなトラブル事例を「独立行政法人国民生活センター」から発表された事案と対策をまとめました。

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宅配クリーニングでありがちなトラブル事例

宅配クリーニングでも実際のクリーニング店舗と同様にトラブルは発生します。
ただ、トラブルの内容はクリーニング店舗とは少し違った状況にあります。
宅配クリーニングでありがちなトラブルの具体例には、下記のような事案があります。

 

【トラブル事例その1】汚れが落ちていない

2、3週間で返却と言われたが戻って来ないため連絡したところ、半年かかるというので早急に対応するよう依頼した。戻ってきたダウンジャケットの袖口の汚れが落ちていないので苦情を言ったが対応しない。

*クリーニング業に関する独立行政法人国民生活センターの報道発表についてより一部抜粋

 

 

【トラブル事例その2】価格が高かった

ワンピースのクリーニングを依頼したつもりが、パーティードレスだと判断され、5倍以上の金額の請求をしてきた。キャンセルを申し出ても応じない。

*クリーニング業に関する独立行政法人国民生活センターの報道発表についてより一部抜粋

非対面式の宅配クリーニングではありえるトラブルの一つです。
店舗型クリーニングでは衣類を持ち込んだ際に、衣類の種類を店員と顧客で確認したうえで注文することになります。
宅配クリーニングでは、衣類を送付して業者の工場に到着してから内容を確認することになります。
その際に見積もりなどで事前確認することはなく、業者の判定で確定した内容で注文処理されるケースが大半です。
顧客と業者が別々に確認するので、事例のように「顧客=ワンピース」「業者=パーティードレス」という違いが発生する可能性があるわけです。
確定した内容に同意できなくても、集荷後のキャンセルは受け付けられない場合がほとんどです。

【対策】
種類が判別しにくい衣類は、対面式のクリーニング店舗に依頼したほうが無難です。

 

【トラブル事例その3】紛失

以前インターネットで見つけて利用したことがある宅配の保管サービス付クリーニング業者に、7 カ月前、冬用衣類(コート、ニット、ズボン、手袋等)をまとめてクリーニングとその後の長期保管を依頼し、クレジットカード決済で支払った。引っ越したので送付先の変更を連絡したところ、事業者から「そもそも衣類を宅配業者から受け取っていない」と言われた。その後、事業者が調べたところ、事業者自身が紛失したようだ。探すと言っているが、なかなか連絡も来ず、対応が悪い。どうしたら良いか。
*クリーニング業に関する独立行政法人国民生活センターの報道発表についてより一部抜粋

2014年の事案なので古い事例ですが、宅配クリーニングのトラブルで困るのが衣類の紛失です。
上記の案件はかなり稀なケースですが、何点か預けて一部が返ってこないことなどはありえます。
この場合、業者に補償してもらうことになりますので、依頼前に補償内容についてしっかりと確認しておきましょう。

【対策】
業者の補償内容に沿うことになりますが、納得いかない場合は消費生活センター( 局番なし188(消費者ホットライン))に相談するという方法もあります。

トラブルの発生原因は3つ

宅配クリーニングで起こるトラブルの原因は、下記の3つに関連します。

  1. 業者と消費者の間で認識にギャップがある
  2. クリーニング店に問題がある場合
  3. 衣類に問題がある場合

 

1,業者と消費者の間で認識にギャップがある

トラブルの原因として一番多いのが、宅配クリーニングならではの
「業者と顧客のコミュニケーション不足」
です。
店舗型では衣類の受け渡し時に対面でさまざまな確認事項が行われ、お互い合意のうえで注文が成立します。
宅配クリーニングでは非対面でサービスが進行するため、確認が不十分なままでトラブルが発生してしまいます。
また返却時にも同様な状態となり、非対面で便利という宅配クリーニングのメリットが、逆にデメリットになってしまうことがあります。
またトラブル発生時も対面でないため、タイムラグが生じ事情がつかめない状態が続くことで感情的になってしまいがちです。
宅配クリーニングの通常サービスでは非対面のメリットが大きいのですが、トラブル発生時は非対面のデメリットが大きく影響します。

 

2,クリーニング店に問題がある場合

これは以前は多かったですが、最近ではかなり減っているケースです。
当サイトでも紹介している宅配クリーニング業者は、ほとんど老舗クリーニング店が運営している宅配クリーニングサービスです。
何十年もクリーニング業を続けている技術力と信頼性がある実店舗を持つ業者なので、しっかりとした品質を提供してくれます。
宅配サービスを始めたクリーニング店側もノウハウが蓄積され、サービス向上に努めています。
また配送を請け負う流通業者も品質向上や時間指定などの消費者ニーズに対応できるようになり、顧客満足度の向上に反映されています。
ただ、損害賠償については、事業者独自の基準になっているケースが多く、店側が原因でトラブルになることがあります。
そのため損害賠償については事前に内容を把握して、理解してうえでクリーニングを依頼するかどうか決めることが大切です。

 

3,衣類に問題がある場合

少なからずあるのが、衣類に問題があるケースです。
「素材」による洗濯方法の選別は、プロのクリーニング店なので間違えることは少ないです。
ただ、衣類の経年劣化や使用状態によって、想定外のトラブルが発生するケースがあります。
衣類の状態も対面式の店舗型であれば持ち込み時に確認できることもありますが、非対面式の宅配クリーニングでは難しいです。

トラブルを回避するための確認事項と対処方法

宅配クリーニングを利用する場合に、事前に確認しておきたいことは下記になります。

  • 契約内容
  • 事業者の連絡先
  • 賠償基準の内容

 

対処方法

・依頼前の衣類の状態をスマで撮影しておく
・運営元が実店舗を運営している
・トラブルの原因が不明瞭の場合は、お店の方へクリーニング綜合研究所で行っている鑑定サービスを利用するよう依頼
お店側の説明や鑑定結果に納得がいかない場合は、地元市区町村にございます消費者センターへご相談ください。
また、国民生活センターに設置されている「ADR(裁判外紛争解決)機関」を利用するのも一つの方法です。

 

「東京都クリーニング生活衛生同業組合」がクリーニング店を選ぶ際のチェックリストを提供してくれています。
これは店舗型に対応したチェックリストですが、宅配クリーニングにも応用できますので確認してみてください。

クリーニン店を選ぶチェックリスト

1,クリーニング店を選ぶ際のチェックポイント

価格の安さだけで選ばない
料金が明示してあるお店を選ぶ
カウンターで品物に対して相互確認が出来、処理方法など丁寧に説明してくれる店員がいるお店を選ぶ
預かり証を発行するお店を選ぶ
クリちゃんマークやLDマーク、Sマークを参考にする

 

2,品物を預ける前に自宅で行なうチェックポイント

ポケットの中を確認する
しみや汚れの場所を確認する
ほつれや破れがないかを確認する
預かり証を発行するお店を選ぶ

 

3,品物を預ける時のチェックポイント

しみや汚れがある場合は、必ず場所と、何の汚れか?いつ付着したものか?など具体的に店員へ伝える
品物の処理方法の説明を求める
スーツなど揃いの物は一緒に出す
ベルトやフードなど付属品がある場合は、店員に伝える
初めて洗う品物は店員へ伝える
形見品、高級品など特に大切な品物は必ず店員へ伝える
預かり証は必ず受け取り、内容を確認する
ボタンや装飾品がポイントになる商品は取り外しておく

 

4,品物を受け取る時のチェックポイント

預けた品物が全てあるかを、お店の人と一緒に確認する
出来るだけその場でビニール袋から出し、しみや汚れの落ち具合をチェックする
※クリーニング事故賠償基準では、品物受け取り後6ヶ月以内にお客様からの申し出が無ければ、お店による賠償は免れることに注意する。

 

5,クリーニング後の品物を収納する際のチェックポイント

カバーを外さず収納・保管した場合は、変色等が起こる恐れがありますので、必ず外して、陰干しを行なってから収納しましょう。(ポリ包装カバーは、お店からご自宅までの汚れ防止が目的です。)
防虫剤・防湿剤・防カビ剤等を正しく利用する(※ラメ製品は防虫剤でラメ部分が消失することがありますので、注意しましょう)

 

東京都クリーニング生活衛生同業組合のチェックリストより